投資コラム

タバコ株の将来性、JTやアルトリアはどうなるか。

こんにちはくまさんです。今日は高配当銘柄であるタバコ株について分析してみました。

調べるほどにタバコ銘柄の先行きに不安が残る内容ですがいい面もあるのでご一読ください。

タバコ株とは

タバコ銘柄は株式投資の世界では一定のシェアを持っているセクターです。正確には生活必需品セクターに分類され日常生活に欠かせないものという扱いを受けています。一般的に利益の多くを配当に回す企業が多くエネルギーセクターと並んで不人気高配当株としてあつかわれています。

日本はJT(日本たばこ産業)が独占しています。これは日本には日本専売公社と呼ばれる独占企業が過去に国営であり、その流れを引き継いでいる会社だからです。ちなみに世界でのシェアもM&Aを繰り返し4位という高順位を維持しています。しかし昨今の競争激化で状況は悪化の傾向をたどっています。

米国上場企業ではフィリップモリスとアルトリアが同一のグループで海外部門と国内部門に別れています。そして英国企業との合併したブリティッシュ・アメリカン・タバコもシェアが高い企業です。しかし一番のシェアがある会社は中国煙草総公司で中国の国有会社です。こちらは上場していないので投資対象には含まれませんが今後海外進出もしてくると思われるので動向の確認が必要です。

なぜ買われるのか

タバコ株がなぜ買われるかについてですが実際は企業の先行きに不安を抱いて保有する人が売る量が多いので株価は低迷しているか停滞しているかのパターンにが多いです。買っている人はその高い配当金に魅力を感じている人が多いと思われます。

結局リターンはどうなのか

リターンについては今後株価が上昇局面になるのか下降していくのかが大きく影響します。

不人気セクターの株は下落局面を何度か経験してその局面で割安で大きく買い増すことによってキャピタルとインカムの両方でリターンを狙う方法が一般的です。その意味で将来タバコ業界が大きく値を戻す可能性はゼロではないと思います。今後の業態変換や別のイノベーションによって大きく成長する可能性もありますので今の配当水準で値下がりが止まればリターンが巻き返す可能性もあると思います。

しかし昨今の健康ブームで状況は悪化しており先行きに希望を持てない投資家が多いのも現実です。日本では健康増進法が施行され喫煙者への風当たりは年々強くなり、販売量は減っていく可能性が高いです。さらに海外ではESG投資などの概念が普及しており、投資環境は悪くなるものと考えられます

シーゲル教授の分析

よくたばこ株であげられる説明にジェレミー・シーゲル博士の例があります。書籍『株式投資の未来〜永続する会社が本当の利益をもたらす〜』ではフィリップモリスなどの当時賠償リスクがあった不人気割安銘柄を買って配当を再投資すればそのリターンはS&P500を凌駕するというものでした。

しかし実際は当時のフィリップモリスが成長企業でいくつかの会社をM&Aするなどの波に乗っていたからタバコセクターでありながらリターンを最大化し良いパフォーマンスをだしただけでたばこ株でなければいけなかったとは考えません

今後の動向

今後タバコ業界は変化が求められる業界だと思います。中国の最大手会社の世界進出や昨今の健康ブームはタバコ株にとっては向かい風です。また電子タバコへの移行も進んでいくものと思います。

またタバコ株は国の政策によってもその先行きを左右される銘柄であることも忘れてはいけません。タバコによる税収は国の財源として日本の場合約2兆円もの大きな部分を占めています。また現在JT(日本たばこ産業)の株式の保有の多くを日本国が保有しています。ですから国策として直ちにその産業を縮小させる方向に舵を切るのは難しいと考えます。

まとめ

タバコ株は今後も国の政策のもとしばらくは現状の状態で徐々に縮小しながら続いていくものと思われます。

高いリターンは魅力的ですが投資比率は今後の動向を見極めながら調整していくのがいいと考えます。

海外タバコメーカーについて新興国での需要はまだ多く残っていることや食品や異業種にも進出していることがあるのでそちらも合わせて銘柄選定していくのが良いと思われます。