投資コラム

決算でわかるNVIDIAはもうGPUだけの会社ではない。

こんにちはくまさんです。今回はNVIDIAの決算を受けてこの会社の成長が止まらない理由を検証してみました。

専門用語が多く出てきますのでなるべくわかりやすく説明してみたいと思います。




この記事を見ればNVIDIAがいままで伸びている理由と戦略そしてこれからの動向がわかるようになります。

NVIDIAってなんの会社?GPUってなに?

まずNVIDIAについてですが一昔前まではPC向けのGPUを作る会社でした。しかし今は時価総額で王者Intelを超える半導体の覇者になりつつあります。

このGPUという半導体チップが同社の成長のキーワードです。

GPUとはデータを処理する頭脳にあたる半導体チップのことで特にグラフィックの分野(画像処理や3D演算)などに特化した半導体チップのことです。
一般的にPCに搭載されているものはCPU(中央処理演算装置)と呼ばれますがCPUが画像処理だけを任せるのがGPUです。

GPUのなにがすごいの?どう使われているの?

CPUとGPUの違い

なぜこのGPUと呼ばれる画像処理用の半導体チップが売れたのかを説明します。それにはGPUとCPUの違いを理解する必要があります。

GPUの優位な理由としては、このGPUがAIなどの研究やディープラーニングの分野で安価に環境を構築できることが注目されたからです。
CPUとGPUではその用途が違います。

説明すると長くなるのでかんたんに要約するとCPUは複雑な作業を順番に処理します。GPUは単純な処理を複数並列にすばやく処理できます。

CPU→複雑な作業→順番に処理

GPU→単純な作業→複数をすばやく処理

この違いがGPUがAIの開発に活用されている理由です。要するにGPUがAIの開発やデータセンターなどすばやく多くの処理をする用途に応用できたということです。

専用の開発環境CUDAを準備する戦略

さらにこのGPUを活用するためのシェアを獲得するためにNVIDIAは専用の開発環境CUDAというプラットフォームを提供しました。これによりGPU+CUDAの組み合わせでAI開発のプラットフォームで市場のシェアを獲得するという戦略が当たり、AI開発の分野では特出して売上を伸ばしています。

簡単にまとめると

要点まとめ
  • NVIDIAは画像処理専用の半導体チップ「GPU」の会社
  • GPUがAI開発などの分野に向いていて活用される
  • CUDAと呼ばれるソフトを作りシェアを獲得
  • 最先端分野の半導体チップ企業になる

決算結果

今回は米国株決算マンさんのツイートより引用させてもらいます。

ゲーム機向けのシェアでも成長

同社はゲーム機向けの組み込みチップでも大きなシェアをもっています。特に近年はNintendo Switchなどの携帯用ゲーム機器にも採用されておりその売上も大きく同社の成長を後押ししています。今後も任天堂などの機器への組み込み需要は堅調に推移するものと考えられます。

データセンター向けの需要も急進

さらにNVIDIAは4月に買収したイスラエルのメラノックス・テクノロジーズの売上が寄与しコロナショックによるクラウド需要などの後押しもあってデータセンターの売上がゲーム向けの売上を上回り収益の柱を増やしました。今後もクラウド需要は続くと考えられますのでこの売上は一過性ではないと考えられます。

自動運転向けの売上は軟調

決算によると自動運転向けは前年同期と比べて47%減で落ち込んでいますが、今後回復していくことやテスラなどのEVに需要が移っていくことを考えると心配はいらないと思います。今回もデータセンター向けなど十分カバーできることを考えるとそこまで心配する必要はないかもしれません

株価チャート

直近の株価チャートは以下を御覧ください。

今後の動向

今後はAIや自動運転、VRなどの時代の最先端分野で活躍する可能性が高い。

NVIDIAは現在ゲーム向けとデータセンター向けの売上を収益の柱としています。しかし同社の可能性はこれだけにとどまりません。

今後はAIや自動運転、VRやARなどの最先端分野で需要を増やす可能性は高いといえます。

半導体の需要はスマートフォンだけでなく様々な機器に搭載されますから今後も伸びていく可能性は非常に高いです。




arm買収が吉と出るか

更にNVIDIAには直近でarmと呼ばれるスマートフォンや組み込み向けの半導体チップを設計する企業の買収の話が出ています。

同社の技術は大きなシェアを持っており、現在のNVIDIAの事業に親和性の高い事業で競合しないことから前向きに取る意見と成長性が高いNVIDIAがあえてarmを取り込む必要があるのかという2つの意見があります。

成長シナリオは変わりないことを考えるとそこまで大きい影響はないかもしれません。

まとめ

NVIDIAは時価総額首位の半導体チップメーカー
AI研究やゲーム、データセンターなどで需要がある。
GPUの用途はこれからも拡大する可能性が高い
AI開発や自動運転、VRなどこれから成長する分野に投資している。
今後の動向はarm買収や先端分野への進出